観た映画の感想を書いたりしてみる、その42:死霊のえじき

今日から仕事が通常運転…思うように時間がとれぬ。
 でももうちっとだけ続くんじゃ

ネタバレ少しあり https://tower.jp/item/2334575

 ジョージロメロ監督のゾンビ映画三部作の3つ目「死霊のえじき」を見ました。
 原題は「Day of the Dead」原題のほうでは「Night of the Living Dead」「Dawn of the Dead」と緩く似た感じのタイトルですが邦題では「ナイトオフリビングデッド」「ゾンビ」「死霊のえじき」になっているのでぱっと見では繋がりに気づかない人もいるだろう。もっともこの3作は世界観こそ共有しているが別の時間、別の場所、別の人物のドラマが描かれているので、どの作品から観ても楽しめるだろう。
 舞台は二作目の「ゾンビ」で始まっていた人間vsゾンビがゾンビ優勢のまま押し切られようとしている世界、作中のセリフを借りれば人間とゾンビの戦力差は1対40。世界人口が50億人に達したといわれるのが1987年なので制作年と同じ1985年が舞台なら世界人口が1億2000万人くらいまで減っていることになる。思った以上にやべぇじゃねえか。
 そんな絶望的な状況の中、フェンスで囲まれた出入り口から降りる地下施設に人類の生き残りが12人いる。大きく分けて民間人、軍人、研究者の3種類の人間がいるが、報酬を受け取って仕事をする民間人、現状を打破するために協力してほしい研究者、最も犠牲者を出しているために余計なことをさせたくない軍人、とそれぞれの思惑のズレからもともと不和だったものが物語冒頭で軍人勢力のトップだった「大佐」が死亡し高圧的な態度のローズ大尉が軍人の指揮を執るようになったのをきっかけにどんどん不和が加速していくさまが描かれます。
 本能に従ってこちらを食いに来るゾンビよりも自分を憎んでいる銃を持った人間のほうが恐ろしい、そんな気持ちになる映画です。
 もっとも物語のラストが3部作の中で一番ハッピーエンドよりなのでぼくは3部作の中では一番好きですね。