観た映画の感想を書いたりしてみる、その19:バタリアン

ネタバレあり 

 今回は1984年制作のゾンビ映画バタリアン。冒頭にこの話は真実であるという字幕が入る、大丈夫かこれ
 劇中に「ナイトオブリビングデッド」を観たことがあるかなんてセリフが出てくる。ジョージ=ロメロ監督のナイトオブリビングデッドの事だろう。ちなみにぼくは観たことある、白黒映画だが観て損はない作品だと思う。でもこの作品のヒットせいでゾンビ映画はバットエンドでも良い。みたいな免罪符的なものになっている気がしてゾンビ映画はバットエンドなものが多い、ハッピーエンドなゾンビ映画ってだけでぼくの中では高評価だ。

 でこのバタリアンだが劇中でナイトオブリビングデッドとは違うと言い放っただけあって結構楽しめた、
 ある倉庫で最近働き始めたフレディは先輩社員のフランクに仕事を教わっていた、そんな時フランクはフレディに怪談話を始める、ナイトオブリビングデッドは実際あった事件を基にした映画だと。実際は軍が開発した新薬でゾンビになるのだと。そして実はうちの地下倉庫に軍から誤発送されてきた新薬漬のゾンビがあるのだと。
 しかも本当にあるからタチが悪い、こんなもの置いといて大丈夫なのかと不安がるフレディをからかうつもりか大丈夫と容器をポンとたたくフランク、だが古い容器が劣化していたのか中の薬剤が噴き出てガス化してしまい、二人はモロに薬剤を浴び薬漬けのゾンビは蘇りガス化した薬剤は上の階の冷凍室にあった学術教材用の死体をゾンビに変えてしまう・・・
 でこの作品のゾンビがほかの作品とかなり毛色が違う。ゾンビというと頭部を破壊されたものはダウン、知性は皆無で食欲だけ残っていて新鮮な肉を食うため人を襲う、体が腐っていて動きがのろい、というものがほとんどだ。だが、
 死にたてから白骨化寸前まで多数のゾンビがいるが総じて動きが速い。
 知性は残っていて会話も可能、新鮮な脳みそを食べると体の痛みが引くので人を襲う。
 つるはしが頭部を貫通、後ノコギリで頭部を切断しても体はジタバタしてる。
など映画のゾンビとしてはかなり異色だと思う。でもこの知性が残ってる設定のおかげでかなり物語に厚みが出てる気もする。若いフランクは恋人の脳みそを食うため言葉巧みにおびき出そうとするし、一方壮年のフランクは自分が家族を襲うことを避けるために自ら焼却場に入り命を絶つ。いやゾンビが命を絶つっていうのは表現的にどうなんだろ、まあいいけど。
 でこの作品の軍隊がかなり非情かつ有能だラストほんの数分でカタをつけてしまう。
 フランクの決意は無駄になってしまう、なんてこった。

この作品吹き替えが好評らしいのだがぼくが借りたDVDは吹き替えは収録されてなかった、どうもバージョンの違いによってあったりなかったりするらしいのでこだわる人は注意しよう。

https://filmarks.com/movies/37885