観た映画の感想を書いたりしてみる、その57:アイス・アルマゲドン

ネタバレあり ICETASTROPHE https://filmarks.com/movies/62805

 今回はアイス・アルマゲドンです。
 前回まででアルマゲドン〇〇と名の付く映画はあらかた見ましたが〇〇アルマゲドンというタイトルがまだあった。ちくしょー。・・・いつから映画を観るのが苦行になった?w
 隕石により町が凍り付き町の技師のチャーリーと隕石の研究をしてる学生アレックスが街を救うため駆けずり回るストーリーだ。
 ところで隕石により町が凍り付くというと巨大隕石のせいで地球に再び氷河期が来るとか、そんな壮大な話を考えがちですがそんな大規模な話じゃないです。映画の世界では降ってくるものは大きければ大きいほどいいと思われてる節があり、平気でキロメートル単位の巨大隕石とかが落ちてくるものですが、今回の隕石はアレックスの先生によると大きくてもデスクの大きさくらいなんだそうです。メートルどころかセンチメートル単位の大きさの隕石です。ここまで小さいと逆にNASAとか出てくるとリアリティが無くなる気もしますね。普通に考えて人口密集地に直撃しなければ大丈夫という大きさだもんな。天体科学オタクの学生と町の技師あたりでちょうどいいかもしれません。というわけでNASAもUSSAもASIもNEOも天文台のアジア人アルバイト学生もスルーのこの隕石が、実は魔法と区別がつかないレベルのSF設定の塊だったことがこの町の不幸でした。
 この隕石二つに割れた片割れが落ちただけでなぜか周りを凍り付かせ始めます。普通に考えて「凍らせる」というのは「熱を奪う」ということなので隕石の温度も絶対零度(約‐273℃)未満には温度は下がらないことを考えれば街一つ凍らせようと思ったらそれこそキロメートル単位の大きさの隕石が必要なはずですよね・・・
 普通に考えたら明らかにおかしいのですがアレックスは既存の科学を凌駕する世紀の大発見だとハイテンションです。「非科学的だ!」と視聴者がキレる前に科学者役に珍行動をとらせることによって「ああサイエンス”フィクション”だったなコレw」とクールダウンを促す脚本家の妙技が光ります。・・・真顔でなんてこと言うの千代ちゃん
 町を凍らせ人を倒れる間もなく凍らせ湖をボートが走る速度とほぼ同じ速度で凍らせる恐ろしい能力を持つSF隕石ですが、ライターとかランタンとか発煙筒とか燃えるものを持っていると凍らないという謎特性がありそのおかげでチャーリーやアレックスほか生きていると都合のいいキャラクターは生き残ります。ロールプレイングゲームとかで指輪1つはめてるだけで冷気攻撃無効になったりとかそういう奴と一緒でしょうきっと。特殊攻撃メインの敵に対しては物理防御より耐性が重要なのは常識ですよね。
 でチャーリーとアレックスはありったけのダイナマイトをかき集め隕石があると思われる山を目指してスノーバイクで旅立ちますが、途中でSF隕石の寒波攻撃をさらされダイナマイトで自衛しながら走行をしていると荷台にダイナマイト箱を固定するひもが緩みダイナマイトをすべて落っことしてしまいます。もうだめかと思ったとき寒波が届かないなんかあったかい森に思いがけず到着します。このへんの森は昨日まではとっても寒かったらしいです、普通に緑の苔がむしてますが・・・と思ってると冒頭で二つに割れたうちのもう一つの隕石がここに落ちていたことが分かります。温める隕石と冷やす隕石が分かれて町の近くに冷やす隕石が落ちたので町のあの惨状らしいですよ。でも人を一瞬で凍らせるほどの寒波を出す冷やす隕石と相殺するほどの隕石が落ちてたら普通山火事くらい起きるやろ?さらにみずみずしい緑の苔に穴開けて地面にめり込んでる気がしますが?耐熱手袋一丁で持ち運べるとか実は隕石に意志があるとか言われた方がむしろしっくりくるレベルですよ。石だけにね!…イシだけにね!!
 で、この温める隕石を冷やす隕石にくっつけるとすべてが寒波が収まり町は元に戻ります。凄いですね。未知の大発見だっただけにアレックスに良いのか?と聞くチャーリーと映画の科学者とは思えないほどあっさり世紀の大発見を手放すアレックスも見ものです。
 途中から魔法の世界に片足突っ込んでる気がしますがこの辺を許容できるかどうかが☆1と☆3の分かれ目でしょう。え?☆4?多分実際観たら面白いか面白くないかじゃなくて許せるか許せないかで判断することになるよ?