観た映画の感想を書いたりしてみる、その63:ウルトラヴァイオレット

アルマゲドらない映画の感想書くの久しぶり。

 ネタバレあり ULTRAVIOLET https://www.sonypictures.jp/he/761358

 今回はSFバトルアクション「ウルトラヴァイオレット」です。
 なんか新開発のウイルスが漏れて大変なことになった世界でミラ・ジョボビッチが無双する映画です。ハリウッド版バイオハザードと似てるけどゾンビは出てこないぞ。
 ウイルスに感染したファージと呼ばれる感染者が隔離され殺されてしまう世界なんだけど感染者はそれこそゾンビになるわけでもないし何でこんな迫害されてるのかわからん。映画を見た限り、光に敏感になる、八重歯が伸びる、身体能力がチョッピリ増す、位しか症状が無い。T-ウイルスなんかよりはるかに危険度は低そうだがなぜここまで危険視されてるのか全然わからん。
 そんな中ファージであるヴァイオレットは人間の機関に潜入、対ファージ用の新兵器が入ったトランクを盗み出しファージの仲間たちのところに届けますがその中身はなんと生きている子供。この子供の中にウイルス感染者のみを殺す抗体が培養されていると予想され、子供を殺そうという話になりますが、自らも流産した経験のあるヴァイオレットはそれを拒否、ファージの組織もそれと交流のある人間のヤクザも敵に回して子供と二人の逃避行を開始します。
 ちなみにこの世界重力を操る装置や空間を拡張したりする装置がある一方で服や武器は現代の延長線上にあるので、大量の武器も弾丸もいくらでも持ち運ぶことが出来てリロードこそ必要なものの弾切れとかそういうの基本無いです、まるでゲームのアイテムボックスのようです。なので戦闘では個人の戦闘技術や身体能力がモノを言います。ヴァイオレットのいろんな種類の武器を使った無双シーンを撮りたかったんだろうけどそれを補完しうる設定を大真面目に作っちゃうのは素直に感心しましたね。アクションシーンを撮るためにここまでやるかと。
 逃避行の中ヴァイオレットは個人的に付き合いのある独居科学者ガースのもとに立ち寄ります。ガースはファージですが反政府組織は所属してないようです。そこで検査をした結果、子供にはファージを絶滅させるような抗体は無いこと、それどころか毒性のあるたんぱく質で余命いくばくもないことが明かされます。あとヴァイオレットが眠ってる間にこの子供がむつかしい化学式を書きだしますがコレ映画の最後まで何の化学式か判らずじまいなので忘れて良いです。もしかしたら続編を作るための伏線だったかもしれませんが、10年以上たっても続編有りませんし。
 そして敵のボス、ダクサス枢機卿と何度も戦闘を繰り返すうち子供はダクサスのクローンであり人類の脅威になりうる毒物を培養することが目的だったことが明かされます。「人類の脅威を排除した」と言う功績をもって権力を維持するためのダクサスの陰謀だったのです。なんと恐ろしいマッチポンプ計画か。もしかしてファージを迫害するように仕向けたのもダクサスかもしれませんね。
 そして追っ手を振り切ったヴァイオレットは余命少ない子供と公園で穏やかな一時を過ごすのですが子供はついに体内の毒物で倒れヴァイオレットの腕の中で息を引き取ります。しかもそこに襲撃をかけてきたダクサスの銃弾にヴァイオレットも倒れます。
 しかしバイオレットはガースのウルトラCにより生き延び、自らが生きていることを悲しみますが、ほんの短い時間で立ち直り戦闘準備を始めます。
 体内で培養されていた毒物により死んでしまったかに見えた子供ですが、ヴァイオレットは自分の涙が子供のまぶたに流れたのを見ていたので子供がファージになり生き延びていることに賭け単身ダクサスのもとへカチコミをかけます。
 最初から最後まで無双アクションを魅せるために作られたようなこの映画、小難しいことを考えずアクションシーンを楽しんだ者勝ちだ。