観た映画の感想を書いたりしてみる、その78:ワイルド・ストーム

ネタバレあり THE HURRICANE HEIST http://klockworx-v.com/wildstorm/

 今日はハリケーンを題材にした犯罪映画ワイルド・ストームを見ました。
 犯罪映画?災害映画じゃないの?と思うかもしれませんが、特大のハリケーンが迫るのを利用して財務省の紙幣処理施設を強盗団が襲うお話なので合ってます。低予算サメ映画とかを見慣れているとハリケーンそっちのけでマッチョと強盗が撃ち合うんだろ?とか思いがちですがこの映画ではハリケーンをバッチリ利用しています。
 ハリケーンが来ることが予測され町の人間が避難しているので目撃者がいない、通信システムさえ掌握してしまえば応援も来ない、新札じゃなくて廃棄予定の古い紙幣を狙うので一度逃げおおせてしまえば足も付かない、細かい証拠や逃走の痕跡は通過するハリケーンが洗い流してくれる。映画内で強盗が言うようにハリケーンが来るかどうかは賭けである以外完璧な作戦に思えます。
 そう、ハリケーン予報にたけた主人公のウィルとそのお兄ちゃんの電気技師ブリーズのラトリッジ兄弟と男勝りの紙幣輸送担当官ケーシーさえいなければ完璧だったでしょう。 ハッキングしてハリケーンが到達ギリギリのタイミングで紙幣処理用のシュレッダーを止めてシュレッダー修理業者に変装して財務省に侵入、内部からシステムをクラッキングして紙幣を強奪の予定が電気系統にトラブル。ケーシーが地元の電気技師に修理を頼むために直接お店まで出向きます。電話回線が乗っ取られてるのでしょうがないね。強盗側も停電で電子ロックが解除できないと困るのでこれはスルーするしかありません。
 ところがそこでケーシーがラトリッジ兄弟に出会ったのが強盗団の運の尽き。捕らえれれてもワザと修理を遅らせ閉じ込められた軍人たちを助けようと暗躍するお兄ちゃん。一方弟は豊富な気象知識を武器に対ハリケーン用観測車両ドミネーターを駆り、乗っ取られた町の通信塔を倒したり強盗の乗る普通車をドミネーターに体当たり”させて”破壊したりと大活躍です。この辺ハリケーンを武器にして戦闘技術や装備の差をひっくり返すのはなかなかスリリングで見ごたえがありますね。
 圧倒的不利な状況から何とか人質を奪還することに成功するケーシーですが自身は捕らえられ紙幣も盗られてしまいます。3台の現金輸送用トレーラー車と共に台風の目の中を逃走に映る(ずいぶんと数の減った)強盗団。ところがラトリッジ兄弟は諦めません。強盗団は綿密な計画で逃走経路を計算したんでしょうがウィルはハリケーンの進路から逃走経路を予想、見事に的中。さっそく追跡していた車から現金輸送車に飛び移り奪い取ります。
 …ここ数少ないガバポイントだと思います。身一つで乗り移られて拳銃一丁で乗っ取られる現金輸送用トレーラーってマズいでしょうw ケーシーを奪還しあとは強盗団のボスを懲らしめるだけだ!方法はトレーラーごとハリケーンに突っ込ませて吹っ飛ばすという豪快なもの、トレーラーに積んであるものが廃棄予定の古い紙幣だからこそできる作戦ですね。最終的には吹っ飛んだトレーラーと3人が乗っていたトレーラーはおそらく数メートルの距離しか離れていなかったのでぶっちゃけ素直に喜んでもいられない状況だったと思うんですけど。
 まあ何とか逃げ切ったらしくハッピーエンドです。トレーラーの最高時速って何キロくらいなんでしょうね?
 当たり前と言えば当たり前のはずなんですがハリケーンを置き去りにしないハリケーン映画でとても楽しめましたね。おススメ。