観た映画の感想を書いたりしてみる、その92:ターミネーター3

ネタバレ少しあり Terminator 3: Rise of the Machines
 https://movies.yahoo.co.jp/movie/239389/

 2の後は3でしょう。実は僕がターミネーターシリーズで唯一映画館で観たターミネーターだったりする。
 そして残念なところが多い映画でもあるのだ。前作、ジョンを守りスカイネットの誕生を阻止して審判の日を回避する。という完璧に折りたたまれた風呂敷を強引に広げなおしたような感じのお話だ。おそらく2作目の後にインターネットの爆発的な普及があったため「これなら中枢コンピューター無しでも行けるじゃん?」と誰かが気付いてしまったのだろう。
 確かに2は1991年の映画、このころのイメージではサイバーダイン社にスーパーコンピュータがドンと有ってそれが全てのコンピューターを支配するみたいなイメージだったが、今ではネットワークでつながった全てのコンピュータにソフトウェアとしてのスカイネットがあると言われても納得できる。時代の移り変わりに乗っちゃたんだな。
 ストーリー展開は大きな破綻は無いように思えるが前作までとは毛色がかなり異なるため好みが分かれるだろう。ちなみに僕はデッドエンドではないのでギリ許容範囲内といったところです。
 まず残念なのは映像面だ、「できる」のはわかるがやるなというのがある。技術の向上によりもっと美しいとかもっと派手にとかもっとリアリティがあるとか「できる」のはわかるがナンバリングタイトルである以上、ここは前作を踏襲ししろよという場面がある。
 格闘シーンではCGが多用されていておそらく細身のT-Xが大型のT-800を圧倒するという画を撮るためにこうしたのだろうがシュワルツェネッガー筋が無くてもできる役にシュワルツェネッガーを使うのはシュワルツェネッガーの無駄遣いに見えてしまうのだ。
 さらにコメディパートが正直ウケない。ターミネーターシリーズにコメディパートを入れたのは勇気がいる行為だったと思うが残念ながら失敗してしまったと言わざるを得ない。コネディはどっかのパロディ映画にでも任せておけばよかったのに…
 前作までのファンにファンサービスしようとして失敗しちゃった感のあるシーンもちらほらみられる。設定的に矛盾してまでのファンサービスはもはやファンにとってはサービスとは言えなくなってしまうことがある、やっちゃったなぁ…
 何より敵の新型ターミネーターであるT-Xがあまり怖くないのだ。金属の骨格を液体金属で覆って内蔵武器も標準装備…は良いんだけど、残念ながら良いとこ取りをしようとしていいとこを取り切れなかった感じがする。左手がダイヤモンドカッターってのはどうなんだよ。それをわざわざ起動して人を切る必要ないだろ?T-1000もやっていた指刺突でいいだろ。T-800型が対ターミネーター特化型でパワー・スピード・知性・全てにおいて自分を上回ると言ってるがそうは見えない。少なくとも知性は残念な出来だったぞ?しかも対ターミネーター特化型にしては変装や暗殺用の機能が多すぎな気がする、それでいてT-1000と違って金属骨格があるので動きに制限がかかる。むしろT-1000が暗殺や潜入に便利すぎる機能満載なんだよなぁ。さらにスカイネットの誕生は止められなかったがジョンとケイトが生きているので人類に勝ち目はあるみたいな感じになってるけどそれならT-Xは次の抹殺目標なんか設定せずにジョンとケイトを最優先にするべきだった。新機能であるハッキング能力やリモートコントロール能力は恐ろしい能力のはずなのに初期型の無人兵器群をぞろぞろ率いてくるみたいなシーンは無い。残念。ぶっちゃけジョン抹殺が最優先なら外見はリンダ=ハミルトン型にするべきだったよなあw
 全体の出来としては決して悪くないんだけどあと一歩なところが複数見えてしまい残念な気持ちになってしまうんだよな。うん。残念。十分なジャンプ力はあったが超えるべきハードルが高すぎたのだ…